究極の幻エンジン
1960年代はモータリゼーションの幕開けで各社いろいろなクルマを世に送り出しました。
モータースポーツも盛んでいろいろなレースが行われていたようです。
そんな60年代から70年代にかけて、まぼろしのエンジンが数多く輩出されたのもこの年代でした。
本日は日産のまぼろしエンジンについてお話させていただきたいと思います。
すでにL6型エンジンのお話は先日させていただきましたが、実はL型には4気筒のツインカムバージョンが存在していました。1帰投に4バルブ合計16バルブのエンジンが70年代にすでに開発されていたのです。
それはLZ型エンジンと呼ばれていて、LZ14、LZ16、LZ20、LZ22、LZ24、と多彩なバリエーションがありました。これらのエンジンはL型4気筒のSOHCヘッドにDOHCのクロスフローヘッドを載せ替えたものでレーシングエンジンだったんです。
当時は何かポンつけ的なレーシングエンジンが多かったのは気のせいでしょうか。。?
このエンジンも日産の開発陣が研究を重ね世に送り出したもので、当時日本GPに出場していたトヨタツインカムエンジン搭載の、レビン、トレノに勝てる保証がなく困っていたところにレギュレーションが変更されたため、ツインカムヘッドを後から載せたることが可能になり急きょ開発したものでした。
それが功を奏して73年の日本GPはLZエンジンを積んだ、サニーエクセレントが優勝しました。
このポンつけのエンジンスペックが当時としては結構すごいんです。73年ってまだ普通乗用車のエンジンでは100馬力にも満たない車ばかりでしたが、このLZエンジンは1,598cc(φ87.8mm:4.8mmボアアップ)。EGI仕様で最高出力が200ps/9,400rpm、最大トルク17.0kgm/6,800rpm。
16本の吸排気バルブもチタン製だったのです。普通乗用車の倍程度の出力があったんですね。
また、排気量は違いますが、
LZ18(1,941cc)が200ps/7,200rpm、
LZ20B(1,952cc/1,975cc)が210~220ps/7,600rpm
60年代から70年代にこの出力スペックとは驚きです。
LZ14は78年5月、FP用キットが204万円で大森スポーツ相談室(現・ニスモ)から発売されるなど、多方面で活躍した唯一の国産レーシングエンジンだったとのことですので、当時のお金持ちがもしかしたら購入してひそかに愛車に積んでいたのかもしれませんね。。
78年の200万円って今の約330万円相当らしいです。このレアなレーシングエンジンならそんなに高くはない気がしますけど。。エンジンヘッド単体の価格としてはやはり超高級ってことになるんでしょうね。。新車1台買えちゃいますものね。。
ちなみに排気量別でLZ20Bターボ(2,082cc)で使われたエンジンは、初期のもので500ps、最終仕様では570psと、当時のF1を凌ぐハイパワーを誇っていたそうですよ。500psって。。
驚きです!
4気筒のあんなに小さいエンジンなのに。。レースにおける日産ターボ軍団の活躍は、日本のファンに大パワーマシンによるレースの醍醐味を実感させるとともに、その後のグループCカーによる耐久選手権(JSPC)へとつながる道を拓いたとのことです。
余談ですが。。
見つけたら購入したいと思いませんか。。?
本日は超レアなレーシングエンジンのお話でした。
本日も最後までお読みいただき
ありがとうございます。