1972年~1977年
日本の排ガス規制
1970年代は60年代に幕が開けた日本のモータリゼーションによりマイカー時代の幕開けと言われていました。
一家に一台クルマがあるなんて夢のような時代だったんです。
時代は移り変わり一家に2台や地域によっては家族全員分クルマがあるなんて時代になりましたが。。
このころの日本は戦後をまだ引きずる時代だったのです。そんな1970年代はエンジンやクルマの開発はもちろんモータースポーツへの参戦も積極的に行われていました。
レースシーンのフィードバックを市販車にすることでより高性能なクルマへと進化していったのです。
ところが1970年代には排ガス規制という
日本の自動車産業を揺るがすような大きな規制がありました。
それはクルマの存在自体を消し去ってしまうほどの威力で高いハードルがあったからこそ今の日本の自動車技術が飛躍的に向上したともいえるのですが。。
そんな1972年に2代目日産ローレルは発売されました。
プラットフォームはC110スカイラインと
同じものを使用していましたが、エンジンラインナップが少々スカイラインとは
異なっていました。
4気筒はG18、G20、G20+SUツインキャブ6気筒はL20、L20+SUツインキャブの3機種5パターンのエンジンラインアップでした。
ボディーは2ドアハードトップと4ドアセダン2ドアハードトップはバンパー内にテールレンズを埋め込んだ珍しい形で当時『ブタケツ』と呼ばれていました。
今でも人気があり、高値で取引されています。
このころの日産のエンジンはL型が主流となっていましたが、実はプリンス陣営の製作したG型エンジンはとても優秀なエンジンで吸気排気効率もよくL型エンジンよりも早いと言われていました。
特にL20+SUツインキャブとG20+SUツインキャブエンジンではG型エンジンの方が性能が良く速く走れるともっぱらの口コミでしたが、排ガス規制に対応できないとのことで
廃版となってしまいました。
実はL型も同様だったはずですが。。
招集精鋭のプリンス陣営が製作したエンジンが気に入らなく、日産が開発したエンジンを主力に置きたいがための排除にしか見えません。
G型はクロスフローのエンジンで、吸気と排気の方向が別なため、燃焼効率が非常によく、無駄がないエンジンだったんです。
『右から吸って左から吐き出す』みたいな感じですね。。
一方L型エンジンはターンフローと言って
吸気と排気の方向が同一なため、Uターンするような形でG型と比べると燃焼効率は良くありません。
『左から吸って左に吐き出す』みたいな感じです。
ちなみにG型スペックです。
最高出力(グロス)125PS/5,800rpm
最大トルク(グロス)17.5kgf·m/3,600rpm
L型スペックです。
最高出力(グロス)130PS/6,000rpm
最大トルク(グロス) 17.5kg·m/4,400rpm
G型の方が低回転からトルクがあるという
ことなんです。
ちなみにG型搭載車は2000GXという
グレードでした。
このC130ローレルは1973年にL型2600CCエンジンを搭載したモデルを販売します。
そして、排ガス規制によりインジェクションとなりパワーが落ちたところで、
1975年のマイナーチェンジ時にL2800CCエンジンを搭載したモデルを発売します。
もはや排ガス規制で死んだL型エンジンを
排気量でどうにかする作戦だったのでしょうね。。
それにしても単純に排気量でカバーは
できなかったのでしょうけれど。
G型エンジンを残すことができれば、後継エンジンももっと性能がよいエンジンを開発できたに違いありません。
今日の日産RB型エンジン開発時は旧プリンスエンジニアにヒアリングがなされ新型6気筒エンジンを生み出したとのことです。
もはや40年以上も前のクルマなので
完全にクラシックの世界です。
今一体いくらするのでしょうか?
https://www.carsensor.net/usedcar/detail/CU5907474726/index.html?TRCD=200002
これは程度が良いからなのでしょうか?
もはやクラシックだからでしょうか?
両方なのかもしれませんが。。
SGXL20エンジン搭載です。
G型エンジン搭載は基本皆無で、
超激レア車なのでしょうね。。
https://www.carsensor.net/usedcar/detail/CU5565766626/index.html?TRCD=200002
まぁケンメリと同じプラットフォーム
で台数も少ないことを考えると希少価値もあってこの価格なのでしょうけど。。
少しいかつい感じがしますが、乗ってみたい一台です。
本日は黎明期日産C130ローレルの
お話でした。
本日も最後までお読みいただき
ありがとうございます!