超希少車両
1960年代に始まった日本のモータリゼーションの勢いは凄まじく、レースシーンのフィードバックも頻繁に行われていました。
戦後GHQの施策により飛行機会社が解体され、飛行機の技術の平和利用を目的に、エンジニアが自動車会社を立ち上げ飛行機の技術をクルマのエンジンなどに生かす会社が複数社設立されました。
中島飛行機から富士重工業とプリンス自動車が設立され、プリンス自動車は後に国策により日産と合併することになりました。
旧プリンス自動車のエンジニアは大変優秀な方が多く在籍し、名機と呼ばれるエンジンやクルマを多く輩出しました。
その代表的なものがプリンスグロリアで、搭載されていたエンジンはプリンスG7と呼ばれる直列6気筒のエンジンでした。
このエンジンは現在のRBエンジンの原型になるエンジンで、そういう意味では約60年の長きに渡り日産の6気筒エンジンを支えた元になるエンジンとも言えます。
G7は6気筒エンジンでしたが、レーシングシーンで活躍できる車両を開発するために基本構造から見直してGR8という6気筒DOHCエンジンに再設計され、R380というレーシングカーにプロトタイプとして搭載されました。
このエンジンはG7を基本にしていますが、開発する中で作り変えと同じくらい
チューンナップを施したため、ほぼ同じところがないくらい別物のエンジンとして存在しました。
このエンジンをディチューンという形で
再度開発しました。
それはパワーを調整し車体と適合する
ことができるようにしたのです。そうして作られたエンジンこそプリンス名機S20エンジンです。
1968年当初のスペックで出力が160psと当初20ps程度の市販車の出力に対して約8倍という数値を出せるほどの高出力を実現させていたんです。
このエンジンを搭載した車は数種類ありますが、現存するのがわずか10台前後であろうと言われているS30フェアレディーZの派生モデルで432Rと言われるモデルについて本日はお話したいと思います。
432Rは4バルブ、3キャブ、2カムという意味です。通常のクルマの鉄板は0.8mmを使用しますが、この車種は0.2mm薄い0.6mmの鉄板で製作された車で、窓ガラスはアクリルウィンドウボンネットはFRPと軽量に特化しており、通常のS30よりも100kg程度の軽量に成功したモデルでした。
通常のS30が975kgだったので、
875kgに160psのエンジンって
当時としてはモンスターですよ。。
今の軽自動車が800kgで64ps
ということを考えるととてつもないスペックですよね。。
ただレースシーンで走るためだけに
作られたクルマなので、エアコンはもちろんほかの装備は一切なく、車検すら通せない車両だったようです。
車検が取れないということは公道を走れないということです。そのためか、当時数十台売れ残りが出たとのことです。
幻のクルマですね。
実はこの432Rはレースシーンでの活躍はあまり目覚ましいものではありませんでした。そのため240Zの方が排気量も大きく扱いやすくレースシーンでも活躍したという少し皮肉な側面もあったようです。
いま売っているものはかろうじて432だけでRは皆無だと思います。
https://www.carsensor.net/usedcar/detail/VU2054967328/index.html?TRCD=200002
応談ですが。。
数千万円だと思います。。
どうですか?
もはや言わずもがなですが、432Rはなかなか知っている方も少ないのではないでしょうか?
本日は幻の名車日産フェアレディー432Rのお話でした。
本日も最後までお読みいただき
ありがとうございます!